アナア島の宇宙卵(フランス領)

「千の顔をもつ英雄 下巻 ジョゼフ・キャンベル 著1949 平田 武靖 訳 浅輪 幸夫 訳 出版1984 人文書院」の P97から

19世紀のなかばごろポリネシアの島アナアの大酋長であるバレオイは、天地創造の始まりの絵を描いた。この絵の最初の部分は2つの元素、テ・トゥム、「基礎」(男性)とテ・パパ、「地層の岩」(女性)を含む小さな円である。(上巻P247 原註87参照←太陰大極図と比較せよ)

バレオイは語った。宇宙は卵に似ていた。それはテ・トゥムとテ・パパをふくんでいた。やがてそれは破裂してかさねられた3つの層、上の2つの層とそれを支える下の層を産みだした。いちばん下の層にはテ・トゥムとテ・パパがいて、人、生きもの、草木をつくった。

「上巻P247 原註87参照←太陰大極図と比較せよ」の図

「超有名な本。有名になったのはいろいろ理由がある。俗っぽいところからいうと、ジョージ・ルーカスが大学でキャンベルの授業をうけて大いに感動し、その英雄伝説の基本構造を『スター・ウォーズ』3部作にそっくり適用して大成功を収めた・・・松岡正剛氏千夜千冊・0704夜2003年01月31日」と紹介があるように、映画と神話に興味のある日本人はだれでも知っているようです。

この超有名な本の下巻P98にも「宇宙卵」について次のように語られています。

宇宙卵のイメージは多くの神話で知られていいて、ギリシャのオルフェウス教、エジプト、フィンランド、仏教、日本神話にあらわれる・・・

アナア島の宇宙卵」の図像は寄せ集めすることができました。ただし、19世紀の半ばごろ、誰が採集し、どこに記録があるのか?気になります。(あとでこの詳細を発見)

さて、アナア島はポリネシアのどこにあるのか?、ダイビングを趣味にする日本人の方は知っていそう?この機会にGoogleマップで確認してみました。

ほとんど海の中ですね!巨大なサンゴ礁のようです。でも空港がありました。ウィキから:アナー空港(IATA: AAA, ICAO: NTGA)長音符号を用いずに「アナア空港」と表記されることもある。

地図を拡大すると、残念ながら「ストリートビュー」の情報はありませんが、4つほどマーカーが表示され、その施設の写真も見ることができます。「Eglise(フランス語:教会)」の写真に表札がありました。

EGLISE ST JOSEPH
TUKUHORA
CONSACREE
PAR MGR H COPPENRATH
LE 19.03.2000

この場所の名前は「TUKUHORA」のほうが通りが良いようです。

 

TUKUHORA」をキーワードに検索すると、かなりの情報がヒットします。

こちらのFBでは、教会のインテリアも詳しく見ることができます。

https://www.facebook.com/Ftvaa/photos/visite-de-leglise-saint-joseph-tukuhora/919516318400100

こちらのサイトには、1930年代の調査資料が!?左下に怪しい卵型図があります。

ニューカレドニア大学のウェブテレビの画像

Toponymy and socio-religious organization of the Anaa atoll in pre-Christian times,
Tuamotuan archipelago(Frederic Torrente)

キリスト教以前の時代のアナア環礁の地名と社会宗教団体、
トゥアモトゥアン諸島(フレデリックトレンテ)

こちらに記録動画がありました。

http://tv.univ-nc.nc/a400/20141104093613/

さて、「Tuamotuan archipelago」というキーワード、これが効きました!!そもそもの記録は、と「宇宙卵」ダイアグラムも3バージョン紹介されています。どうも、図の扱いに間違えがあったようなのです。

レポートの全文
The Polynesian Society (Incorporated)

THE TUAMOTUAN CREATION CHARTS BY PAIORE
BY KENNETH P. EMORY, M.A. Bernice P. Bishop Museum, Honolulu.

前略

クリスチャンが再現した写真は、ポリネシアンジャーナルに掲載されているチャートの基になっているヤングの写真と同じネガからのものでした。元のネガは1934年にパペーテのL.スピッツ氏が所有していたもので、その年に私は彼からBPビショップ博物館の版画を入手しました。ヤングは、写真は1892年に撮影されたもので、次のように述べています。

「この絵は、タカロア島に住んでいたがアナア出身の老人、トゥフンガのパイオレが砂の棒で描いたものであり、若い親戚が描いたものだと言われています。されていた

後略

となると、「怪しい卵型図」がやはり気になりますね・・・

いまのところ、おぼろな図です。Un monde en deux dimensions Tuamotuan archipelago