クレーの宇宙卵(画家)
パウル・クレー(Paul Klee, 1879年12月18日 – 1940年6月29日)は20世紀のスイスの画家、美術理論家。
ワシリー・カンディンスキーらとともに「青騎士 (ブラウエ・ライター)」を結成し、バウハウスでも教鞭をとった。その作風は表現主義、超現実主義などのいずれにも属さない、独特のものである。
パウル・クレー・センター(Zentrum PaulKlee)の概要(紹介サイト)
スイスの首都であり、旧市街がユネスコ世界遺産にも登録されているベルン、その郊外の丘陸シューヌグリューンというエリアに2005年、新しいシンボルが加わりました。パウル・クレー・センターです。
この施設はパウル・クレー(1879-1940)の家族とモーリス・E・ミュラー教授夫婦の寄付によって設立されました。世界中にあるクレーの作品の大半がここに集っています。作品所蔵数は約4,000点で世界一の所蔵数を誇り、彼の作品のうち4割以上がここに所蔵されています。
Zentrum PaulKlee ツェントルム・パウル・クレー
「約4,000点で・・・彼の作品のうち4割以上」ということは、全世界には約10,000点ほどの作品があるわけですね。「宇宙卵」らしきものもありそうです。
「Scharf-Gerstenberg Collection」に所蔵されているという「Paul Klee, With the Egg. 1917, Scharf-Gerstenberg Museum, Berlin (25334016547).jpg」→「With the Egg=卵のある」
この卵はゆで卵的ではありますが・・・次の雑誌を思い出しました。
2011年5月に東京国立近代美術館で開催された「パウル・クレー展」に合わせて出版された特集号
「ユリイカ2011年4月号 特集=パウル・クレー 造形思考のコンステレーション」
【例外状態を形づくる】
絵画の死生学 パウル・クレーにとって 「力」 とは何か / 構成+解題=前田富士男クレーは、自然の営みに、そして人間集団の振る舞いに胎芽する強い「力」を見つめ続けた画家である・・・
《卵のある〉》8 1917/4水彩:ペン·紙 ベルリン国立博物館群
第一次世界大戦中の兵舎生活は、造形思考をふかく追究する時間をクレーにもたらした。そのひとつの焦点は、形の「発生」である。すで にクレーは男性的エネルギー射出と女性的受肉 をテーマに、性交場面などを用いて「生成」を物語的に描いていたが、この時期から生の原点としての「卵」が登場する。それは、受精卵が二つに、さらに四つに、八つにと細胞分裂して増殖してゆくイメージ。画面中の卵は、まさにその出発点にほかならない。しかも本作品の切断がまさに卵上で行われていることは、ドリーシュの切断分割実験を思わせて興味深い。
さて、クレーの卵ですが、日本にもたくさんのクレーファンがいることもあり、「セイレーンの卵・1939年」もセゾン現代美術館が所蔵していました。
セイレーンといえば、日本ではスターバックスのロゴで有名です。
たくさんの作品、全て網羅されてはいないようですが、こちらのアーカイブでほかの卵を探すことができるか?日本語では検索できませんが、ドイツ語・英語・フランス語なら・・・ということで、こちらがヒットしました。Intermediate egg=中間の卵ですかね?
Paul Klee Intermediate egg 1938、364 (W 4)Pencil on cardboard paper 29.9 x 20.8 cm Paul Klee Center in Bern