2024/11/28(木) Welcome 43135
2021年3~4月の特集:「宇宙卵」
卵
は、創造と生命、したがって復活の普遍的なシンボルとされる。通過儀礼では、卵は「二度の誕生」の象徴とされる。産卵は、最初の誕生であり、孵化は第二の誕生であるからだ。
宇宙が宇宙卵から生まれたという考え方は、古くから広範囲に見いだされる・・・
つづき
宇宙卵は、象徴的には、天球つまり大円球によって表される。
宇宙卵は、万物の始まりであり、宇宙とあらゆる可能性を含めて、万物の謎に包まれた神秘である。宇宙卵には、あらゆる対立が包含されているが、それらはすべて一つに統合されている。この点は、広く知られた中国の陰陽という象徴に、みごとに示されている。
ヒンズー教(インド)とエジプトの伝説の中で、万物の根源とされる卵は、とくに注目に値する。
前者では、聖なる鳥が原初の海に金の宇宙卵を生んだ。その玉子からプラフマーが生まれ、二分された卵がそれぞれ天と地となった。宇宙樹は、混沌の海に漂う金の卵から生えているように表されることがある。
後者では、ナイル・ガチョウが宇宙卵を産み、それから太陽神ラーがかえった。
孵化して半分に割れた卵は、ギリシャ神話にも見られる。レダは、白鳥に姿を変えたゼウスに孕まされて、卵を産んだ。その卵から生まれたのが双子の息子ディオスクロイであり、この玉子の半分づつが双子のかぶる半球型の帽子である。
中国では、卵黄は天、卵白は地とされた。
卵は、ヘビとも密接な関係がある。
エジプトのもう一つの寓話によれば、ヘビであるクネブツが、その口から宇宙の法則(ロゴス)を象徴する宇宙卵を産んだという。
オルフェウス教(ギリシャ)では、卵は、生命、創造、そして復活の神秘と考えられ、尾を口に加えた円形のヘビであるウロボロスに巻かれている形で表されたが、この形は潜在能力、完全性、そして原初の統一の象徴でもある。
錬金術(エジプト・アラビア・ヨーロッパ)では、白い花、銀、4女らしさと赤い花、金、男らしさの両者は、卵の中にあり、その卵から生まれる。また、哲学者の卵は、創造の象徴とされる。
後章(P156)で詳しく述べるが、創造と復活の卵は、復活祭(イースター)で申請を祝う春祭りと密接に関係する。
Symbolism ~ the Universal Language ~
「シンボリズム~記号の比較文化~」
ジーン・C・クーパー 著・日下洋右/白井義昭 訳・発行 1987 彩流社
※上の「シンボリズム」に関する本では、国として、中国・インド・エジプト・ギリシャなど4つほど挙げています。「天地創造神話」に関するほかの本や学術論文では、さらにフィンランドやアフリカのマリ共和国などが挙げられています。
このサイトでは、それら各国の「宇宙卵」のエピソードをブリコラージュして紹介していきます。
なお、天地創造神話的モチーフとしての呼び名は「宇宙卵=Space egg、Cosmic egg、Cosmo-Eggs・・・」、「世界卵=World Egg」そして「Mundane Egg=ありきたりな卵」とも呼ぶことがあるようです。
ウィキ(英語)によれば、世界的には「宇宙卵」より「世界卵」のほうが通りが良いようで・・・
世界卵=World Egg
https://en.wikipedia.org/wiki/World_egg
ジェイコブ・ブライアントのOrphic Egg(1774)
【「コズミックエッグ」はここにリダイレクトします。】とあり、この「World egg」のページで、世界の神話を紹介しています。
内容(若干整理)
- 1 ヴェーダ神話(インド)
- 2 ゾロアスター教の神話(イラン)
- 3 イリュリアの神話
- 4 エジプト神話(エジプト)
- 5 フェニキア神話
- 6 中国神話(中国)
- 7 フィンランド神話(フィンランド)
- 8 ポリネシア神話(フランス領アナア)
- 9 ドゴン神話(マリ共和国)
- 11 現代神話
- 12 現代の宇宙論では
Mundane Egg=ありふれた卵
「Mundane Egg」「マンデーンの卵」
東京先生.comから
形容詞mundaneの語源は「地に足のついた世界」です。
mundaneで「天界のような非日常の場所ではなく、地に足のついた日常の世界」というニュアンスになり「平凡な」という意味になります。
mundaneは行事や日程の場面で、社会科学の分野で用いられます。
このキーワードで検索してみると・・・イギリスのウィリアム・ブレイクに絡んだサイトが多くヒットします。著書「ミルトン」の「 Plate 19 」に「Four Universes round the Mundane Egg remain Chaotic ・・・」とあり、これがどうも原点と言えるでしょうか?図像は「Plate 34」に掲載されています。
「William Blake: Religion and PsychologyのMUNDANE EGG」
ちなみに、「mundaneegg.com」というドメインのサイトもヒット、フランス在住の占師で、Zoomで占いもしますよ、というアントニアさんのウェブページ。
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